海外では、因数分解「タスキがけ」を教えているのか?

日本の高校数学では、1年生で因数分解の「タスキがけ」を必ず教えます。基本となる式の形は、以下のようになっていて、

\(a,b,c,d\) を直接求めるために、次のようなフォームを作ります。

\(6x^2+17x+5 \)を因数分解せよという問題なら、下のように、掛け算して6になる数a,cと掛け算して5になる数b,dの組み合わせを何度か試して、\(ad+bc\)が17になるものを探します。

冒頭の\( (ax+b)(cx+d) \)の形に当てはめて、\( (3x+1)(2x+5) \)を得ます。

海外のテキスト(IB-MYP5,Mathematics)を見ると、このような方法は書かれていません。もう少しステップを踏んで到達させています。まず、4項の因数分解がまず解説されています。

$$
x^2+2x+5x+10\\
=x(x+2)+5(x+2)\\
=(x+5)(x+2)
$$

このあと、3項の因数分解として次のように、\( x\) 1次の項を2つに分割して因数分解をするように説明がされています。

$$
4x^2+11x+6\\
=4x^2+8x+3x+6\\
=(4x^2+8x)+(3x+6)\\
=4x(x+2)+3(x+2)\\
=(4x+3)(x+2)
$$

ここで問題となるのは、\( 11x \)をなぜ\( 6x+5 \)や \( 10x+x \) ではなく、\( 8x+3x \)に分割したのかということです。これについては次のような説明がなされています。

一般的な2次式 \( \alpha x^2+ \beta x+ \gamma \) を因数分解が可能な4つの項 \( \alpha x^2 +px + qx +\gamma \) に分割する方法について考えてみよう。
\[
\alpha x^2+ \beta x+ \gamma\\
=\alpha x^2 +px + qx +\gamma \\
=x(\alpha x +p)+(qx+\gamma)
\]
この式がさらに因数分解が可能となるためには、\( \alpha x +p=k(qx+\gamma) \)となっている必要がある。したがって\( \alpha= k q \), また\( p= k \gamma \)であることになる。この2式から、\( pq = \alpha \gamma \)であることが分かる。よって、
\[ p+q=\beta,\quad pq=\alpha \gamma \]
となる\(p, \, q\)を見つければ良い。

ですから、\(6x^2+17x+5 \)を因数分解せよという問題なら、足して17、掛けて30となる2数を見つけることから始めるというわけです。そのような2数は15と2です。

\[
6x^2+17x+5\\
=6x^2+15x+2x+5\\
=3x(2x+5)+(2x+5)\\
=(3x+1)(2x+5)
\]

これなら、足した数とかけた数から2数を求める\( (x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab \)とよく似ています。これはこれで、教えやすいように思います。

加えて、日本の教科書では当たり前のようにある\( 2x^2+xy-y^2+4x+y+2 \)のような複雑な因数分解はありません。このような因数分解は日本の全ての高校生に教える必要があるのかどうかを疑ってみる必要があります。

海外から帰国した生徒や留学生はこんな形で教えられているということは、知っていた方が良いですよね。

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