JSL(Japanese as a Second Language)クラスの設置が早急に求められる。

厚労省は2025年1月31日付で、「外国人雇用状況」届出状況まとめ(2024年10月末時点)をWEB上で発表しました。これによると、現在の外国人労働者は230万人で、前年比25万人の増加となっています。日本の労働者人口は約7000万人ということなので、全労働者の約4%にあたります。23人に1人。これだけ多くの外国人が日本で働き、生活しているということは、その子供たちも日本で生活しています。学校には行っているのでしょうか?多くの子どもが必要とする教育を受けられずにいる状況がうかがい知れます。

日本の生徒たちが英語圏に留学すると、ESLというクラスに入ります。ESLはEnglish as a Second Languageの頭文字で英語を第二言語として学ぶ子供たちのためのクラスです。どの学校にもESLクラスが普通にあります。英語を習熟してくると一般の生徒と同じクラスに入って学習をするというステップが用意されています。またESLを担当する責任者も配置されています。一方、日本では、日本語が不自由な生徒のためのクラス制度はありません。文科省は、2022年3月31日付で、「学校教育法施行規則の一部を改正する省令等の公布について」なる通知を出し、高等学校に対して、日本語の不十分な生徒に対して、取り出し授業などの「特別な指導」を行っても良いとしていますが、必履修科目などはその範疇に含めていませんし、財政的な措置もありません。これではポーズだけだと非難されてもしかたがありません。そもそも、普通のクラスでさえ、教員が埋まらない現状があるのに、まして日本語ができない生徒のケアに手が回るはずもありません。何という教育の貧困状況でしょう。教育をおろそかにして、半導体も宇宙もスマートもありません。海外から優秀な頭脳を集める気があるのか大いに疑問です。

教育を怠れば、自分ことばかりを優先して相手を思いやることができなくなり、嘘を見抜く力が失われ、治安が悪化し、統治システムが機能しなくなり、社会的不安が増大します。昨今の政治や大企業の不祥事を見れば、すでにそのような状況に陥ってきているといえるでしょう。教育の貧困が思考停止を生んでいます。日本にいる子供たちに対する教育は、国籍の違いはどうあれ、日本が国家として責任を持つべきものです。その子供たちがその地域の未来そのものだからです。先日1月24日、在留資格を失った外国籍児童をさいたま市教育委員会が除籍にしたと報道を目にしましたが、行政としてあるまじき行為です。大人の事情で、子供の心をどれほど傷つけたでしょうか。その判断がどのような結果を生むのか想像したでしょうか。

私の職場にも外国籍の教員が複数います。お子さんもいます。みな日本で生活し、税金を納めています。彼らが働いてくれているおかげで、社会が回っています。彼らの子供の教育のために、教科書を外国語に翻訳すること、日本語のJSLクラスを設置すること、専門の教員を育成すること、制度として財政的裏付けを持つことは行政の責任です。

我々数学教師の責任は、どのような言語においても共通する数量と空間に関する科学として、他の教科よりも子供たちに近い存在になることが求められているのだと思います。学んで良かったと言ってもらえる数学にしたいです。

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