GeoGebraで因数分解をする授業動画

今日は少しチャレンジングな動画を作ってみました。\(x,\,y\)2変数2次の因数分解を題材にGeoGeblaで因数分解させて、係数がどのような場合に因数分解が可能かを考えさせる、そんな探究的な活動を取り入れてみました。

生徒のPC所持が一般化してなお、多くの高校の数学の授業では未だにテクノロジーを活用することができず、従来型の授業を継続している状況があります。特に、因数分解に至っては、このパターンはこう、この場合はこの公式という型の教え方で終始する場合があり、因数分解のいろいろな方法を味わうゆとりがありません。背景に「数学は答えがでればそれでよい」という受験教育の呪縛が根強く残っているのではないでしょうか。腰を落ち着けて、数式の特徴をよく見て、どうしてこんな風になるのか、逆から考えてみればどうか、何か法則性があるか、を探してみるのも数学の面白さです。

科学の進歩によって、簡単にコンピュータで計算の結果が得られる時代になりました。10年前には高額なソフトでないとできない計算がタダ同然でできるのです。生徒にコンピュータで計算する方法を与えると、生徒は数学をしなくなるでしょうか。数学が計算方法のみを教えているのだとすると、そうかもしれません。でも、私たちが毎日、取り組んでいる数学の授業は、決して答えを得るためだけにやっているのではありません。答えを得るために取り組んでいるというのなら、問題集の後ろには全て答えが掲載されているので、無駄な作業ということになります。

世界で直面する課題は、答えのないものばかりです。生徒たちは世の中に出たとき、誰も解決できていないものを解決しなければならないのです。グローバルな問題、ローカルな問題、パーソナルな問題、さまざまなレベルで自分の頭脳で解決しなければならないものが山盛りです。

AIが解決してくれるという人がいるかもしれません。しかし、AIが出す答えは、完全に正しいとは限りません、人類がこれまで経験した知識の延長線上から出てきた平均知であり、人類みなが無意識のうちに限界を定めた特殊な条件のもとの特殊解かもしれません。別の価値観に立てば、別の最適解が存在するかもしれないのです。AIに頼り切るのは、人類知性の敗北でしかありません。AIが発達した現在もなお、世界では戦争が止まず、インターネット上ではデマや憶測が溢れているではないですか。AIが世界を幸せにするというのは幻想でしかありません。世界を幸せにするのは、人の強い意志です。

私はいつもこんな風に生徒に言ってます。

今、数学でしていることは、答えのある問題で、将来直面するまだ答えの見つかっていない問題を解く練習をしているのです。因数分解は手順を覚えることではなく、式の特徴をつかみ、さまざまな方向から積の形の要因を考えることです。コンピュータはそのためのツールとして利用できます。解決の方向性は人間が考えなければならないのです。みなさんが将来直面する課題を解決を見通して、何をすればよいのかを分析するマインドをこの学習から身につけてほしいと思います。

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