数学IIの「図形と方程式」の単元の「点と直線の距離」はどう教えるのか悩ましいところです。学習指導要領ではこの「点と直線の距離」は項目としても明記されていませんが、大学入試で求められるので、どの教科書にも公式の記載があります。
点\((x_0,y_0)\)と直線\(Ax+By+C=0\)の距離\(d\)は
\[d=\frac{|Ax_0+By_0+C|}{\sqrt{A^2+B^2}}\]
しかし、この公式の導出には無理があります。ベクトルも使えない、グラフの平行移動\( y-y_0=f(x-x_0) \)も使えないのでは、結局のところ、(1) 法線の方程式を求め、(2) 垂線の足を求め、(3) 2点間の距離を求める、ということを一般化するほか無いのです。そして、この導出の過程は、変数がやたら出てくるので、ふつうの高校生には理解不能です。グラフの平行移動\( y-y_0=f(x-x_0) \)をカリキュラムの中に位置付け、原点と直線の距離で説明できるようにするべきだと思います。
国際バカロレアのMY10の教科書では、公式化せずにこの点と直線の距離を扱っています。公式については、発展的な内容として、ステップを踏んで証明をさせています。次のようなものです。(英語を日本語に翻訳)

これは、三平方の定理と相似を用いれば証明ができます。次に、\( |xy|=|x||y| \)を証明させ、最後にこれです。

問1と問2(1)(2) を用いて公式を導出しています。この手順を踏むと式の意味を考えることができます。特に分子の\(|Ax_0+B y_0+C| \)が(1)から(3) に共通していますが、この値の意味についてです。
上記の証明の詳細はコチラ
